一般的に、猫は1歳になると人間でいう成人の状態になります。生後すぐは、バランスの良い栄養を摂取させるためにも、免疫力を高めるためにも、母乳を飲ませるのがベストです。万が一母猫が育児放棄をしてしまった場合には、栄養価の高いヤギのミルクなどを与えると良いでしょう。
免疫力を上げるキャットフードについては「愛猫の免疫力を上げるためのキャットフード選びの要点」をご覧下さい。
離乳してから6ヶ月までの期間は、子猫の成長にとって最も大切な時期です。丈夫な成猫に育てるために、質の良い食事を与える必要があります。生後30日程度でキャットフードをふやかした離乳食を食べられるようになりますので、子猫に必要な栄養が十分に含まれているフードを選んであげてください。
キャットフードお品書き♪
子猫に必要な栄養素とは?丈夫な体を作るためのキャットフード選び
成長期の子猫は、成猫よりも多くの栄養を必要とします。この時期に栄養不足に陥ると、骨格や筋組織の形成に問題が生じるおそれがありますので、食事の内容が重要です。また、体の機能が完成していない時期なので、質の悪いものを与えていると病気にかかりやすくなってしまいます。
キャットフードの中には、特別に子猫用として販売されているものもありますが、成長に必要なカロリーと栄養が十分に補えるなら、特に子猫用にこだわる必要はありません。丈夫な成猫に育てるために、成長期の子猫にはどんなフードが良いのか知っておきましょう。
高カロリー高タンパクの食事ですくすく成長!
子猫が成長するためには多くのエネルギーを必要としますので、十分なカロリーを補給できる食事を与えましょう。また、子猫はまだ消化機能が弱いので、肉食動物という猫本来の生態を考えたフード選びをする必要があります。
ゆでたササミなどは離乳食として適しているのですが、ササミは脂肪分が少ないので、これだけでは脂質が足りなくなってしまいます。脂質は猫がエネルギーとして一番初めに消費する栄養素ですので、栄養バランスの良いキャットフードをふやかしたものを与えるのがベストです。
動物性タンパク(肉材料)をメインとしたフードを与えれば、体の組織の形成に必要なタンパク質を効率よく吸収できます。パッケージの裏に書かれている原材料は多いものから順に記載されていますので、原材料表記の左上に肉や魚などが書かれているものを選びましょう。
消化しづらい穀物はできるだけ少ないものを
完全な肉食動物である猫にとって、穀物は食べられないものではないけれど、消化しにくいものです。特に消化機能がまだ弱い子猫のうちは、穀物の多いフードを与えていると下痢や消化不良を起こしてしまいがちです。
【関連】愛猫が下痢気味のときはどう対処する?フードを見直してみよう
成長期に大切なのは、必要な栄養素を効率よく吸収することですので、本来必要のない穀物は与えるべきではありません。原材料に穀物が使用されていないキャットフードを「グレインフリー」と呼びますが、グレインフリーのフードは子猫に最適です。
最近ではグレインフリーや穀物の使用を最小限に抑えたプレミアムフードが増えてきていますので、子猫の健康を考えるなら、離乳食にはこういったフードを与えることをおすすめします。
グレインフリーについては「愛猫の健康維持に役立つグレインフリーキャットフードとは?」で紹介しています。
健康に育てるために…無添加のフードが安全でオススメ
最近では、食品には添加物をできるだけ使わないという風潮が定着しています。しかし、ペットフードには、人間が食べるものには使われないような添加物が含まれているものも多いのが現状です。これから育っていく子猫は大事な家族です。できる限り人間の食品と同じレベルの安全性があるフードを与えたいものですよね。
原材料の表示を義務付けられている添加物は、パッケージを見れば分かりますので、エトキシキン(防腐剤)など危険な添加物が使われていないかしっかりチェックしましょう。また、動物性タンパクとして、具体的な食材(チキン、サーモンなど)ではなく「肉類」と表示されている商品は要注意です。
肉類には、「4Dミール」と呼ばれる粗悪な肉が含まれていることがあります。4Dとは、「Dead=死んだ」「Deadly=死にかけの」「Disease=病気の」「Disable=障害のある」という意味です。これらの肉は腐ってサルモネラ菌などに汚染されている危険性が高いため、大量の保存料や消毒薬を使用して輸送されます。
輸送の際に使用された添加物は、原材料への表示が義務付けられていません。そのため、一見無添加のように見えても、「肉類」と表示されている場合、実際には大量の添加物が含まれている可能性があります。
子猫を健康に成長させるためには、十分な栄養はもちろんのこと、安全性への配慮も重要です。成長期に粗悪なフードを与えていると健康被害が出やすくなりますし、丈夫な成猫に育つことが困難になる場合もあります。
猫は自分で食事を選ぶことができませんので、飼い主がしっかりと知識を持った上で、安全なキャットフードを選んであげましょう。
子猫に最適!安心できるオススメキャットフード一覧
動物性タンパクが豊富で穀物の少ないフードといっても、さまざまな種類の商品が販売されていますので、どれが良いのか悩んでしまいますよね。安全性についても、一目見ただけでは分かりにくいでしょう。ここでは、原材料表示の最初から3番目までに穀物が入っておらず、タンパク質量が多いキャットフードを紹介します。
タンパク質:脂質(%)と100g当たりのカロリー(代謝エネルギー)量も合わせて記載しますので、離乳食のためのフード選びに悩んでいる方は参考にしてください。
・カナガンキャットフード…グレインフリーで、トウモロコシの代わりに消化の良いサツマイモを使うなど、猫の健康に配慮したプレミアムフード。
37%:20%、390kcal/100g
・シンプリーキャットフード…魚をメインとしたプレミアムフード。リニューアルしてからは完全にグレインフリーになり、魚(動物性タンパク)の割合が増えた。
37%:20%、約380kcal/100g
・モグニャン…ヒューマングレード(人間が食べても問題のない品質)の白身魚をメインとしている。その他の原材料もすべてヒューマングレード。グレインフリー。
30%:16%、374kcal/100g
・ジャガーキャットフード…肉材料を80%以上使用したプレミアムフード。高タンパクな上にグレインフリーなので、消化吸収に優れている。
40%:20%、384kcal/100g
・オリジンキャット&キトゥン…無添加とグレインフリーの両方にこだわったプレミアムフード。かなりの高タンパク・高カロリーなので、成長期の子猫向け。
42%:20%、402kcal/100g
上で紹介した5つの商品は、いずれも添加物が少なく、粗悪な原材料が一切使われていない安全なものです。上から4つは特に子猫用というわけではありませんが、タンパク質量もカロリーも十分なので、離乳食として適しています。
カロリー量やたんぱく質の割合を考えると、オリジンキャット&キトゥンが最も子猫に適していますが、上の4商品のような1.5kgの袋がなく、0.34Kg、2.27Kg、6.8Kgという品揃えです。無添加のキャットフードなので早めに食べきらないと酸化してしまいますが、小袋は割高という問題がありますし、0.34Kgの次が2.27Kgといきなり量が増えます。1頭飼いの場合は他の商品の方が購入しやすいかもしれませんね。
子猫は1歳まで成長を続けます。この時期に大切なことは、タンパク質や脂質など、猫にとって必要な栄養素を効率よく吸収することです。毎日の食事は体づくりに大きな影響を与えますので、特に6ヶ月までの子猫には質の良いものをあげてください。