最近では飼い猫に去勢や避妊手術を受けさせることが一般的になってきました。手術をするメリットは大きいのですが、気をつけてあげなければならないこともあります。また、太りやすくなる猫もいるので、フードにも気を配ってあげましょう。
去勢・避妊手術後に気をつけてあげることとは?
猫の去勢や避妊は、望まない妊娠を避ける以外にもさまざまなメリットがあります。たとえば、性別特有の病気リスクを下げたり、尿マーキングなどの困った行動を取ったりしなくなります。
また、発情期のストレスもないため、手術を受けていない猫よりも長生きになるケースが多いようです。子猫を産ませることを考えていないのであれば、最初の発情期が来る前に手術を済ませておいたほうが良いと言われています。
しかし、手術してすぐの猫には、いろいろと気をつけてあげなければならないことがあります。術後の愛猫が少しでも早く元気になれるように、しっかりサポートしてあげましょう。
去勢手術後に気をつけてあげること
避妊手術と比べると、去勢手術はわりと簡単に済ませることができるようです。猫にかかる負担もそれほど大きくはないため、あまり神経質になりすぎる必要はありません。飼い主が気を遣いすぎることで、かえって猫がストレスを溜めてしまうこともあります。
去勢後の猫はホルモンバランスが崩れることで食欲が増し、太りやすくなると言われています。そのため、術後すぐにダイエットフードに切り替える方もいるようですが、これはおすすめできません。
退院してすぐの猫は、心身ともにデリケートになっています。そのため、普段食べているフードでないものを与えると食い付きが悪くなる可能性があります。キャットフードを食べない日が続くといつまでも体力が回復しませんし、肝臓にも負担がかかります。
まずは体力を回復させることを優先して、栄養価が高く、愛猫が喜んで食べてくれるフードを与えましょう。
病院から帰ってきたばかりの猫は警戒心が強くなっています。そのため、必要以上に過保護になったり安静にさせようとしたりすると、かえってストレスを抱えてしまう猫が多いようです。できるだけ手術前と同じように過ごさせるようにしましょう。
去勢は陰嚢を5mmほど切って睾丸を摘出する手術です。睾丸を摘出したあとは特に傷口を縫わなくても、自然にくっつくことが多いようです。腫れもだいたい1日程度で治まるため、消毒もほとんどしません。
猫は綺麗好きでデリケートですから、術後は傷口を舐めることも多いでしょうが、心配しなくても大丈夫です。ただし、神経質になっていてずっと舐め続けていたり、出血や腫れがあったりする場合は獣医師に相談してみてください。
避妊手術後に気をつけてあげること
オスの去勢と比べると、メスの避妊手術は猫に大きな負担をかけてしまいます。そのため、退院後はしばらくじっとして動かない猫がほとんどですが、2、3日もすれば元気を取り戻すことが多いようです。
しかし、中にはぐったりしてなかなか元気が戻らなかったり、不調を起こしてしまう猫もいます。猫の様子をしっかり観察して、適切なケアをしてあげましょう。
避妊手術後の猫は心身ともに疲れきっているので、ぐったりしていることがほとんどです。2、3日であれば、まったく食べ物を口にしなかったとしても、しばらくは様子見で問題ありません。安静にして体力が戻ってくれば、少しずつ食欲が戻ってくるはずです。
食事と同様、2、3日であれば猫がトイレに行こうとしなくても問題ありません。しかし、トイレで頑張っている素振りはあるのに排泄ができない場合は、注意が必要ですので獣医師に相談してください。
下痢や吐き気などの原因は、
- 手術によるホルモンバランスの乱れ
- 処方された薬が体質に合わない
という2つが考えられます。
下痢の対処法については「愛猫が下痢気味のときはどう対処する?フードを見直してみよう」を参考にしてください。
このような症状が見られる場合、食欲が安定していれば一時的なホルモンバランスの乱れによるものである場合がほとんどです。。自然に回復することが多いため、さほど心配いりません。ただし、食欲がない場合はすぐに治療するようにしてください。
薬によって不調が出ているかどうかは、簡単には判別できません。しかし、薬を飲ませた直後に吐く、軟便が続くなどの症状が出たときは、薬が原因であることが多いようです。
どちらが原因であるにせよ、食欲がないときは自然回復が難しいため、獣医師の指示を仰ぎましょう。
去勢・避妊手術後のキャットフードの選び方
去勢や避妊手術を終えてしばらく経ち、愛猫が元気を取り戻してきたら、体重をチェックしてみましょう。去勢・避妊手術をした猫は太りやすくなる傾向があります。手術前に比べて明らかに増えているようならダイエットをしなければなりません。
去勢・避妊手術をすると、生殖能力を失うため、そこに使用されていたエネルギーが不要になります。そのため、使われなくなったエネルギーが蓄積されていき、太りやすくなるようです。
太りやすくなってしまった愛猫には、ダイエットフードや去勢・避妊手術後専用のフードに切り替えましょう。その際に気をつけなければならないこともあるので、チェックしてみてください。
手術後の猫は体力が落ちていますので、すぐにフードを切り替えるのは避けてください。まずは体力を回復させることに重点を置き、愛猫が喜ぶごはんをたくさんあげましょう。実際にダイエットを考え始めるのは、術後1ヶ月以上経ってからで遅くありません。
去勢や避妊手術を受けても太らない猫もいます。体重に変動がなければ、無理にダイエットをさせる必要はありません。術前と同じ食事内容を続けて、肥満とエネルギー不足、両方を予防しましょう。
キャットフードは、猫がストレスを感じないようにゆっくり切り替えていきましょう。最初は今まで与えていたキャットフードに混ぜるようにして、新しいフードを与えます。徐々にその割合を増やしていきましょう。
詳しくは「キャットフードの切り替えは愛猫の性格や体調に合わせることが大切!」をご覧ください。
ダイエットには適度な運動も効果的ですが、毎日の食事がいい加減ではダイエットの効率が下がります。猫の場合、自分から進んでダイエットをするわけではないため、人間以上に食事管理が重要です。ここでは、猫の体重管理に最適なキャットフードを紹介します。
・ロイヤルカナン
ロイヤルカナンにはオス用の「メールケア」とメス用の「フィーメールケア」の2種類があります。性別に合わせたフードを選ぶことで、体型維持や疾患予防に役立ちます。
・モグニャン
モグニャンのメイン食材は肉ではなく白身魚ですので、高タンパク・低脂肪です。また、肥満やアレルギーの一因となる穀物は入っていません。
去勢・避妊後の猫は心身ともにとてもデリケートになっています。まずは不調が起こっていないか気をつけて、普段通りのフードを食べさせてあげてください。術後1ヶ月ほど経って体重が増加していた場合は、ダイエットのためのフードに切り替えてあげましょう。